Australian War Memorial - AJRP
   
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田村義一の日記 31–60ページ

ふりがな付き日記文
点々(てんてん)と小雪(こゆき)ののこれる山合(やまあい)に
一(いち)、二(に)、訓練(くんれん) 志(こころざし)ある兵(へい)を見(み)て
何處(どこ)ぞと思(おも)えば豊(とよ)橋(はし)なりき
名(な)古(ご)屋(や)の金(きん)の鯱(しゃちほこ)を右(みぎ)にみて
車(しゃ)外(がい)の影に目(め)疲(つか)れた頃(ころ)競(けい)馬(ば)場(じょう)
ありて三(さん)々(さん)五(ご)々(ご)帰(かえ)り来(く)る
若(わこ)人(うど)より手(て)を振(ふ)る
下(しもの)関(せき)近(ちか)くなりて浜(はま)の松(まつ)一(いっ)層(そう)
美(び)を添(そ)えたり
海女(あま)の万歳(ばんざい)もうれしく
海(うみ)の景色(けしき)を楽(たの)しむ

前出征(まえしゅっせい)の上越(じょうえつ)線(せん)に比(ひ)して
東海道(とうかいどう)は稍(やや)おとりたり
心(こころ)ともならず雪(ゆき)の新潟(にいがた)の方(ほう)が
懐(なつ)かしきは時代(じだい)の差(さ)
前(まえ)は各驛(かくえき)の送(おく)り盛(せい)大(だい)なるに
今回(こんかい)は更(さら)に送(おく)り人(びと)なし

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下関(しものせき)に着(つ)いて波(は)止場(とば)にて休(やす)む
暇(ひま)もなく上船(じょうせん)す
桟橋上(さんばしじょう)にて受(う)けし婦人会(ふじんかい)の
湯茶(ゆちゃ)も祖国(そこく)の名(な)残(ご)り
唱(しょう)度(ど)丸(まる)七(なな)千(せん)屯(とん)近(ちか)くの船(ふね)に
ゆられて釜山(ぷさん)に着(つ)く
船中(せんちゅう)車中(しゃちゅう)の疲労(ひろう)からか大部分(だいぶぶん)の
船(ふな)酔(よ)いが出(で)て無(む)中(ちゅう)なり

白(しろ)いかもめに送(おく)られ志(し)
祖国(そこく)の港(みなと) 想(おも)い出(で)に
明日(あす)は散(ち)り行(ゆ)く若(わか)櫻(ざくら)
祖国(そこく)の楯(たて)と咲(さ)いて散(ち)る

再(ふたた)び還(かえ)る気(き)はせねど
立(た)ちし故郷(こきょう)が何故(なぜ)こいし
軍人(ぐんじん)じゃと言(い)うたとて
花(はな)も身(み)もある大和魂(やまとだましい)

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朝鮮(ちょうせん)
はげ山(やま)多(おお)き朝(ちょうせん)鮮の大気(たいき)は
乾燥(かんそう)して風(かぜ)もなし
ぼろぼろを着(き)た子(こ)供(ども)達(たち)が
自作(じさく)らしいスケート板(いた)で遊(あそ)んで
居(い)るのも異郷(いきょう)に来(き)た感(かん)
一尺(いっしゃく)か二尺(にしゃく)の板(いた)に歯(は)をつけ
その上(うえ)にのり腰(こし)を下(おろ)して
船(ふね)を漕(こ)ぐ様(よう)にして遊(あそ)ぶ
中(なか)々(なか)馴(な)れた動(どう)作(さ)に興味(きょうみ)あり
其處(そこ)の沼(ぬま) ここの川(かわ)も全(まった)く凍(こお)りて
車中(しゃちゅう)では計(はか)りかねる寒(さむ)さを
思(おも)わせる
大(だい)邱(きゅう)で久(ひさ)しぶりで味噌汁(みそしる)を
食(た)べたり 北鮮(ほくせん)に思(おも)へ(え)し
ポプラ並木(なみき) しだれ柳(やなぎ)
たたき洗濯(せんたく)に余念(よねん)なき主婦(しゅふ)
四年前(よんねんまえ)の初年兵(しょねんへい)の頃(ころ)を
懐(なつ)かしく思(おも)い浮(う)かべたり

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やがて暮(く)れ行(い)く山(やま)あいに何日前(なんにちまえ)に
降(ふ)りしか粉雪(こなゆき)白(しろ)し
所々(ところどころ)鉄道(てつどう)工事(こうじ)を施(ほどこし)し後(あと)
以後(いご)の通路(つうろ)に重大性(じゅうだいせい)あると
認(みと)む 旅(たび)の疲(つか)れ暮(く)れ行(い)く
朝鮮(ちょうせん)の山々(やまやま)を眺(なが)めて旅(りょ)愁(しゅう)
そぞろなり
夕刻(ゆうこく)六時(ろくじ)車中(しゃちゅう)にて注射(ちゅうしゃ)
これで四回目(よんかいめ)だ
まだまだ多(おお)い接(せっ)種(しゅ)を思(おも)い
旅(たび)の思(おも)いはつきぬ

征(ゆ)く我(われ)に車窓(しゃそう)の影(かげ)は肌寒(はださむ)し
散(ち)り行(ゆ)く花(はな)の別(わか)れも知(し)らずに

水(みず)枯(か)れし北(ほく)鮮(せん)の山(さん)河(が)珍(めずら)しく
語(かた)らう友(とも)の心(こころ)ぞ如(い)何(か)に

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巨馬河
果(は)てしなき広(こう)野(や) 見(み)渡(わた)す限(かぎ)りの
大平原(だいへいげん)に残雪(ざんせつ)の如(ごと)き点(てん)々(てん)と
して白(しろ)き雲(くも)
如何(いか)にも呑(のん)気(き)そうに放(ほう)牛(ぎゅう)の群(む)れ
驢馬(ろば)の背(せ)に荷(に)をのせて腕組(うでぐみ)し
とぼとぼと歩(あゆ)む万人(まんにん)
皆(みな)大陸的(たいりくてき)の表(ひょう)影(えい)だ
奉天(ほうてん)を過(す)ぎて一(いち)時(じ)間(かん) 今(いま)
汽車(きしゃ)は一路(いちろ)西北進(せいほくしん)して居(い)る
行(い)けども行(い)けども見(み)渡(わた)す限(かぎ)り
大(だい)平(へい)野(や)だ なだらな稜(りょう)線(せん)に
黒(くろ)豚(ぶた)が野(の)放(ばな)しに遊(あそ)ぶ(ぶ)
軍(ぐん)人(じん)の汽(き)車(しゃ)の旅でなかったら
本(ほん)当(とう)に呑(のん)気(き)な旅(たび)であろう

守(しゅ)備(び)隊(たい)のトーチカ白(しろ)志(し)
子(こ)は丸(まる)志(し)

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夕(ゆう)日(ひ)は赤(あか)志(し)
果(はて)しなき草(そう)原(げん)に今(いま)赤(あか)々(あか)と
夕(ゆう)日(ひ)は沈(しず)む 夕(ゆう)日(ひ)の赤(あか)い満(まん)州(しゅう)と
丁(ちょう)度(ど)唄(うた)の文(もん)句(く)の様(よう)だ
見(み)渡(わた)す限(かぎ)りの草(そう)原(げん)は
一(いっ)種(しゅ)砂(さ)漠(ばく)の様(よう)だ
広(ひろ)い河(かわ) 鉄(てっ)橋(きょう)の傍(そば)にトーチカの
破(やぶ)れて有(ゆう)刺(し)の鉄(てつ)条(じょう)網(もう)のみ
面(おも)影(かげ)を止(と)め 労(ろう)苦(く)の跡(あと)歴(れき)然(ぜん)たり
こんなにも広(ひろ)き土(と)地(ち)が
何(な)故(ぜ)未(み)開(かい)のままなるやと
不(ふ)思(し)議(ぎ)な位(くらい)だ 沈(しず)み行(ゆ)く夕(ゆう)日(ひ)
明(あ)日(す)の希(き)望(ぼう)を追(お)う様(よう)に
万人(まんにん)の馬車(ばしゃ)が子供(こども)を乗(の)せて
急(いそ)ぐ暮(く)れ行(ゆ)く満(まん)州(しゅう)の広野(こうや)を

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三月二十四日
侍(じ)従(じゅう)武(ぶ)官(かん)来(く)る
聖(せい)旨(し) 令(れい)旨(し)を下達(げだつ)

三月二十五日
大(おお)平(ひら)連(れん)隊(たい)長(ちょう)帰(き)任(にん)
内(ない)地(ち)に向(む)かう
奥(おく)田(だ)部(ぶ)隊(たい)長(ちょう)来(く)る

四月八日
部隊(ぶたい)の移転(いてん) 残留(ざんりゅう) ・・・・

憲兵伍長 外谷芳広
憲兵少尉 粟津四郎

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故(こ)郷(きょう)を偲(しの)びて汽(き)車(しゃ)の旅(たび)
応(おう)召(しょう)後(ご)大(たい)陸(りく)の風(ふう)影(えい)を
楽(たの)しみつつこの地(ち)に参(まい)り
三年前(さんねんまえ)の支那(しな)とは總(すべ)てに
於(お)いて変(か)わるのに驚(おどろ)きました
朝鮮(ちょうせん)を縦断(じゅうだん) 満州(まんしゅう) 奉天(ほうてん)と
廻(まわ)りましたが 零下(れいか)
三(さん)十(じゅう)五(ご)度(ど)と言(い)ふ(う)のに始めて
体(たい)験(けん)しわずか五(ご)分(ふん)内外で
目(め)の痛(いた)むのには驚(おどろ)きました。
北支(ほくし)の広野(こうや)は一物(いちもつ)もなく
見(み)渡(わた)す限(かぎ)り大(だい)平(へい)原(げん)
乾(かん)燥(そう)しているためか雪余りなく
唯(ただ)汽車の窓のみ厚氷
しばしこの当(とう)地(ち)に別(わか)れ又
南(なん)方(ぽう)に行(ゆ)きてより

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ぽちり ぽちりと不気味(ぶきみ)に
梢枯(しょうこ)が落(お)ちる 丁度(ちょうど)野(のら)猫(ねこ)の
鳴(な)く様(よう)な夜(や)鳥(ちょう)が鳴(な)く
ポタリ ポタリと木(き)の実(み)がおちる
一寸先(いっすんさき)も分(わ)からぬジャングルの中に
歩(ほ)哨(しょう)の立(た)って深(しん)夜(や)の一(ひと)人(り)立(たち)は
戦(せん)線(せん)なれ志(し)我(われ)々(われ)でも一(ちょ)寸(っと)
どくとくな感じ(かんじ)

夜(よる)のジャングル歩哨(ほしょう)に立(た)てば
野(の)猫(ねこ)がなくよなものすごさ
敵(てき)に恐(おそ)れぬ兵(へい)隊(たい)達(たち)も
蛇(へび)やわにには手(しゅ)段(だん)なし

連(れん)絡(らく)の途(と)たえはてて唯(ただ)一(ひと)つ
自(じ)力(りき)に敵(てき)を攻(こう)撃(げき)せんとす

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四月十一日
静(しず)かなる夜(よる)の大気(たいき)を突(つ)いて
かすかに爆音(ばくおん)がする 今(いま)頃(ごろ)
何時(なんじ)頃(ごろ)だろうと おぼろに目覚(めさ)む
不(ふ)寝(しん)番(ばん)が空(くう)襲(しゅう)とどなった
その中(なか)敵(てっ)機(き)は頭(ず)上(じょう)に迫(せま)り
照空燈(しょうくうとう)が光(ひかり)だした
高射砲(こうしゃほう)がどかん どかんと撃(う)ち出(だ)し
夜(よる)の特(とく)種(しゅ)の音(おん)楽(がく)が始(はじ)まった
南(なん)国(ごく)特(とく)有(ゆう)の雨(う)季(き)の様(よう)な細(こまか)い雨(あめ)が
しとしとと降(ふ)ってジャングルの中(なか)は
葉(は)音(おと)と共(とも)に相(そう)当(とう)降(ふ)って居(い)る如(ごと)く
見(み)受(う)けられるに敵(てき)もさる者(もの)
飛(と)んで来(き)て爆(ばく)撃(げき)す
一(ひと)際(きわ)爆(ばく)音(おん)の高(たか)くなりその次(つぎ)に
天(てん)地(ち)をゆるがす轟(ごう)音(おん)
どかん どかんと連(れん)続(ぞく)音(おん)がした
ああ やって居(い)る

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眠(ねむ)られぬ夜(よる)を機(き)のなすままに
床(とこ)の中(なか)に居(い)た
友軍(ゆうぐん)の砲(ほう)も重機(じゅうき)もどんどん
打(う)ち出(だ)したけどさっぱり
感(かん)じぬらしく敵(てき)は二(に)回(かい) 三(さん)回(かい)
回(かい)旋(せん)して来(きた)り爆(ばく)弾(だん)を
投(とう)下(か)志(し)たり
どかんと炸(さく)裂(れつ)する度(たび)に地(ち)が
振(ゆ)れる 天(てん)がぱっと明(あか)るくなる
相当(そうとう)に近(ちか)い距(きょ)離(り)だ
防空(ぼうくう)壕(ごう)の中(なか)に入(はい)る気(き)もせず
大空(おおぞら)を眺(なが)めて居(い)ると機(き)と味方(みかた)の
撃(う)ち出(だ)す弾(たま)が蛍(えい)光(こう)してまるで
尺(しゃく)玉(たま)花(はな)火(び)の様(よう)に美(うつく)しい
どんなに地上砲火(ちじょうほうか)が激(はげ)しくも
一度(いちど)も当(あ)たらざるが頼(たよ)りなく
機(き)の乱歩(らんぽ)ははげしき

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空(くう)襲(しゅう)は上(じょう)陸(りく)以(い)来(らい)幾(いく)度(ど) 唯(ただ)
又(また)来(き)たかと思(おも)う位(くらい)なるも
こんなにあざやかに来(こ)られると何と
しても敵(てき)が心(こころ)にくい
敵(てき)が頭上(ずじょう)を通(とお)る度(たび) 来(く)るか
落(お)ちるかと思(おも)えど誰(だれ)もねたまく
呑(のん)気(き)すぎる兵(へい)隊(たい)さんに心(こころ)から
無(む)量(りょう)なり
夜(よ)はほのぼのと明(あ)け始(はじ)めて
始めてほっとする
損(そん)害(がい)も分(わか)らず起(き)床(しょう)の聲(こえ)
今(きょ)日(う)も無(ぶ)事(じ)なるを祝(いわ)う

内(ない)地(ち)の人(ひと)は実(じつ)に幸(しあ)福(わせ)だと信(しん)ず
何(なん)の不(ふ)安(あん)もなく枕(まくら)を高(たか)くして寝(ね)て
国力(こくりょく)の偉大(いだい)をしみじみと
兵(へい)は明(あ)日(す)の守(まも)りにつく

< 42 >
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故郷(こきょう)を出(で)てから幾月(いくつき)ぞ
我(われ)の便り(たより)の着(つ)きしか否(いな)や
家(いえ)の便(たよ)りは更(さら)になし
生(い)きて還(かえ)ると思(おもわ)ねど何(な)故(ぜ)か
しらない淋(さび)しさは
兵(へい)の心(こころ)にしみとおる

ドラム缶(かん)風呂(ふろ)に変(か)わりて
ひげだるま今日(きょう)も
浮(う)いてる南(なん)国(ごく)の夕(ゆう)

散(ち)り行き志(し) 戦(と)友(も)は知(し)らずや
我(わ)が故(ふる)郷(さと)の送(おく)りし信(たよ)り
よみ得(え)ずして

< 43 >
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機上(きじょう)より撃(う)ち出(だ)す弾(た)丸(ま)の
美(うつく)しさ地(ち)上(じょう)の送(おく)り花(はな)火(ひ)にもにて

はるばると攻(せ)め来(き)し異(い)郷(きょう)
ニューギニア わにが笑(わら)って
椰子(やし)の実(み)を割(わ)る

ジャングルの住(す)み人(びと)知(し)らず
青(あお)瓜(うり)の二(ふた)つ実(みの)りて
あぼらや空(むな)し

命(めい)に生(い)き軽(かる)き命(いのち)と思(おも)へども
無(む)駄(だ)に死(し)せんや大(おお)君(きみ)の楯(たて)

四月十一日 病(やまい)にて残留(ざんりゅう)

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炎(えん)天(てん)に汗(あせ)だくだくの兵(つわもの)は
唯(ただ)黙(もく)々(もく)と飛(ひ)行(こう)場(じょう)を作(つく)りぬ

日(にち)々(にち)に進(すす)み行(ゆ)く行(ゆ)く工(こう)事(じ)場(ば)へ
副(ふく)官(かん)今(きょ)日(う)も巡(じゅん)視(し)来(きた)りぬ

波(なみ)際(ぎわ)に汗(あせ)をぬぐいて腰(こし)下(お)ろし
便(たよ)り来(こ)ぬかと沖(おき)をながめる

椰(や)子(し)の可(か)希(げ)ゆるる梢(こずえ)に
極(ごく)楽(らく)鳥(ちょう)ないてほのぼの
夜(よ)は明(あ)けにける

空(くう)襲(しゅう)も度(たび)重(かさ)ねると来(こ)ぬ日(ひ)には
何(なん)と待(ま)たるる作(さ)業(ぎょう)休(やす)みに

蝉(せみ)なけど木(こ)の葉(は)散(ち)り行(ゆ)き
秋(あき)らしく若(わか)芽(め)を見(み)れば
春(はる)を想(おも)わん

< 45 >
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四月十一日
太陽(たいよう)が西(にし)から出(で)るかと思(おも)う程(ほど)
ジャングルの中(なか)方(ほう)位(い)分(わ)からず

猫(ねこ)の子(こ)のなくかとまがう森(もり)蔭(かげ)に
見(み)馴(な)れぬ鳥(とり)の友(とも)を呼(よ)ぶらん

蚊(か)やり火(び)に立(た)ちのぼり行(ゆ)く
細(ほそ)煙(けむ)り(り)夕(ゆう)暮(ぐれ)迫(せま)る幕(ばく)舎(しゃ)生(せい)活(かつ)

波(なみ)音(おと)を子(こ)守(もり)唄(うた)ともききなれて
住(す)めば都(みやこ)の天(てん)幕(と)生(せい)活(かつ)

兵(へい)隊(たい)となりぬる故(ゆえ)にかく迄(まで)も
強(つよ)く雄(お)雄(お)しい人(ひと)となり得(う)る

或(あ)る人(ひと)の希(き)望(ぼう)を問(と)えば限(かぎ)りなく
食(た)べたき物(もの)は饅(まん)頭(じゅう)なりとゆふ

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何(なに)がほしいときかれても之(これ)と
此(こ)れだという事(こと)の出(で)来(き)る人(ひと)が
何人(なんにん)あるかと思(おも)ふ現況(げんきょう)だ
これもあれもほしいものばかり
で区別(くべつ)がつかんからだ
それ程(ほど)人(にん)間(げん)ばなれした
生(せい)活(かつ)に甘(あま)えているのだ
故(こ)郷(きょう)の便(たよ)りも彼(かれ)への手(て)紙(がみ)も
みんな切(せつ)なき胸(むね)の中(なか)

幼(おさな)子(ご)の玩(がん)具(ぐ)の様(よう)な
ものにほしさ
総(すべ)てがほしい人(ひと)里(ざと)はなれし

< 47 >
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木の実 四月十一日
『一(ひと)つ食(た)べて見(み)い』無(む)造(ぞう)作(さ)に出(だ)された
木(き)の実(み) 戦(せん)友(ゆう)がにこにこと
さもおいしそうに食(く)っているので
何(なん)の気(き)食(く)ったこの味(あじ)
ほう実(じつ)にうまいね 故郷(こきょう)の栗(くり)と
一(いち)様(よう)だと支(し)那(な)語(ご)と日(に)本(ほん)語(ご)で
まぜて言(い)ふ
南(なん)方(ぽう)に来(く)れば来(き)たなりで何(なに)かしら
通(つう)じる物(もの)があるわい
今(いま)迄(まで)知(し)らぬが佛(ほとけ)で目(め)の前(まえ)に
ごろごろと散(ち)っていた木(き)の実(み)が
こんなに良(よ)き味(あじ)とは知(し)るよしもがな
表(おもて)の肉(にく)を食(く)ふて腹(はら)の毒(どく)とか
中(ちゅう)止(し)していたけど又(また)煮(に)て食(た)べると
何(なん)とも言(い)えぬ味(あじ)にほうばる
間食(かんしょく)によいぞ
退(たい)屈(くつ)しのぎに三(さん)人(にん)五(ご)人(にん)手(て)を出(だ)して
戦(せん)友(ゆう)の実(み)を貰(もら)いたり

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実(み)拾(ひろ)いに余(よ)念(ねん)なき戦(と)友(も)
笑(わら)いたり
一(ひと)つ出(だ)されて我(われ)も拾(ひろ)えり

南(なん)方(ぽう)の暑(あつ)さにぼけて
この頃(ごろ)の兵(へい)の顔(かお)まで
土(ど)人(じん)に似(に)て来(く)る

ジャングルに住(す)める我(われ)等(ら)の
日(にっ)課(か)時(じ)は夜(よる)が長(なが)くて
昼(ひる)がみじかき

魚(うお)住(す)めど取(と)る術(すべ)もなき
山奥(やまおく)に馴(な)れる程(ほど)々(ほど)
残飯(ざんぱん)をやる
以上

四月十一日

< 49 >
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四月十一日
此(こ)處(こ)は戦線(せんせん)南方(なんぽう)の
守備(しゅび)の任(にん)又(また)重(おも)ければ 南(なん)
つくす忠義(ちゅうぎ)も亦赤(またあか)し
椰子(やし)の梢(こずえ)にジャングルに 海(かい)

故(こ)郷(きょう)はなれて何(なん)千(ぜん)里(り) 派(は)
ここは南(なん)海(かい)ニューギニア
敵(てき)と対(たい)して早(は)や三月(みつき) 遣(けん)
住(す)めるジャングル我(わ)が里(さと)か
軍(ぐん)
敵(てっ)機(き)の来(く)るが毎(まい)日(にち)と
なると案(あん)外(がい)気(き)にならず
又(また)も来(き)たかと空(そら)仰(あお)ぐ(ぐ)
兵(へい)のきもたも底(そこ)しれぬ

明(あ)日(す)は前(ぜん)進(しん)その次(つぎ)は
めざす大(たい)敵(てき)打(う)ちまくり
くにの手柄(てがら)にしたいぞと
話(はなし)にはずむ五年兵(ごねんへい)

< 50 >
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戦友(とも)を除(のぞ)いてその外(ほか)は
住(す)める人(ひと)とて更(さら)になき
未開(みかい)の地(ち)をば進(すす)み行(ゆ)く
我(われ)は先進歩(せんしんほ)兵隊(へいたい)

元(もと)より君(きみ)にささげし身(み)
何(なん)の未(み)練(れん)があるものか
赤(あか)い花(はな)咲(さ)く南(なん)海(かい)に
散(ち)って実(みの)るぞ本(ほん)懐(かい)だ

支(し)那(な)できたえしこの身(から)体(だ)
こんな暑(あつ)さが何(なん)のその
戦(と)友(も)は張(はり)きる戦(せん)線(せん)に
にっこり笑(わら)って発(た)って行(ゆ)く

大(だい)東(とう)亜(あ)戦(せん)終(おわ)るまで
この地(ち)でやって行(ゆ)くんだと
ひげの勇士(ゆうし)のたのもしさ
我(われ)は南海(なんかい)派遣軍(はけんぐん)

< 51 >
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四月十二日
毎(まい)日(にち)定(さだ)まった(た)様(よう)に夜(よる)になると
しだしだと女(おんな)のすすりなく様(よう)に
小雨(こさめ)が降(ふ)る
ジャングルに雨季(うき)が来(き)た陰(かげ)の下(した)も
一(いち)米(メートル)五0もあると火(ひ)を炊(た)かないと
じめじめして気(き)持(もち)悪(わる)るし
四(し)月(がつ)だ 内(ない)地(ち)の春(はる)を想(おも)い出(だ)すのに
上(じょう)陸(りく)以(い)来(らい)同(おな)じ気(き)候(こう)
むしろ寒(さむ)くなった様(よう)な感(かん)がする
相(あい)変(か)わらずこうるさく蝉(せみ)はなけども
一(いっ)向(こう)に晴(は)れそうもなく実(じつ)に
うっとうしい天(てん)候(こう)だ
内(ない)地(ち)は良(よ)いな 誰(だれ)もの実(じっ)感(かん)だ
病(やまい)に気(き)くさらして同室(どうしつ)二十人(にじゅうにん)
みんなだるそうにねころんで
思い(おもい)つらつら
雨(あめ)の小窓(こまど)に

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汽車雑談
毛(け)があると無(な)しと争(あらそ)う戦(せん)友(ゆう)の
語(かた)りもおかし男(おとこ)夜(よ)遊(あそ)び

姑娘(クーニャン)を見(み)れば話(はなし)はそればかり
若(わか)き兵(へい)士(し)の心(こころ)懐(なつか)し

想(おも)い出(で)をロマンスらしく語(かた)らいて
旅(たび)のつれづれ時(とき)を送(おく)らん

照(て)り映(は)えし広(こう)野(や)は白(しろ)し
万人(まんにん)の子(こ)等(ら)見(み)送(おく)りに
旅(たび)は進(すす)まん

この汽車(きしゃ)の旅(たび)で一番(いちばん)痛切(つうせつ)に
感(かん)じたのは地図(ちず)なりき
必要品(ひつようひん)として後(のち)に注意(ちゅうい)

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天(てん)津(しん) 一、十八日
天(てん)津(しん)に着(つ)いたのが午(ご)後(ご)四(よ)時(じ)半(はん)
ここで夕(ゆう)食(しょく)を摂(と)る ここは北(ほく)支(し)の
大(だい)都(と)市(し)らしくホームも相(そう)当(とう)大(おお)きい
支(し)那(な)名(めい)物(ぶつ)花(はな)売(う)り娘(むすめ)が美(うつく)しい
赤(あか)黄(き)の花(はな)籠(かご)を抱(だ)いて混(こん)雑(ざつ)の
客(きゃく)の合間(あいま)を歩(ある)く
きれいな支那服(しなふく)も懐(なつ)かしく
思(おも)い出(だ)されて唯(ただ)聲(ごえ)のきけざるは
残念(ざんねん) 北京(ぺきん)より来(きた)りし車(くるま)に
傷病兵(しょうびょうへい)が居(い)た 日赤(にっせき)の正装(せいそう)も
りりしく 又(また) 懐(なつ)かしい白(はくい)衣の天使(てんし)
五人(ごにん)六人(ろくにん)窓(まど)より顔出(かおだ)して
我(われ)等(ら)を見(み)送(おく)る
車(しゃ)中(ちゅう)の退(たい)屈(くつ)に本(ほん)をほしがるに
金(かね)が通(つう)用(よう)せぬので駄(だ)目(め)
唯(ただ)窓(まど)より見(み)る天(てん)津(しん)の驛(えき)
日(に)本(ほん)人(じん)の進(しん)出(しゅつ)相(そう)当(とう)多(おお)くどの
町(まち)も同邦(どうほう)を見(み)る
加給品 羊羹 たばこ

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出陣 一月十九日
厳寒(げんかん)の北支(ほくし)は今(いま)乾燥期(かんそうき)だ
少(すこ)しの風(かぜ)にも目(め)もあけられぬ
砂(すな)煙(けむ)りだ 陽光(ようこう)の当(あた)る方(ほう)は
割(わり)合(あい)に暖(あたたか)きも日陰(ひかげ)の方(ほう)は
非常(ひじょう)にしんしんと肌(はだ)にしみる
昨日(きのう)の夜(よる)おそく現地(げんち)に着(つ)いて
何(なに)もかも夢(む)中(ちゅう)に出発(しゅっぱつ)準備(じゅんび)
あれが足(た)りぬこれは不要(ふよう)と
隊(たい)の勇士(ゆうし)に教えられる
歴戦(れきせん)の勇士(ゆうし)も二度(にど)の応召(おうしょう)で
すっかり面(めん)食(く)らう形(かたち)
お蔭(かげ)で気(き)忙(ぜわ)しき姿(すがた)なり
出陣式(しゅつじんしき)におもむく
今日(きょう)もからりと晴(は)れて雨(う)期(き)
なし 幸(さいわい) 風(かぜ)弱(よわ)くして
春(はる)日和(びより)宿営(しゅくえい)の地(ち)を出発(しゅっぱつ)
して式場(しきじょう)に向(むか)ふ

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西(にし)の部落(ぶらく)東(ひがし)の町(まち) 南(みなみ)から北(きた)から
濛々(もうもう)たる土(つち)煙(けむ)り何(なに)事(ごと)かと
あやしみたり
折(おり)からの西風(にしかぜ)に煙(けむり)の出現(しゅつげん)
見(み)る見(み)る増(ふ)えて十(じゅう)幾(いく)つ
これ皆(みな)今日(きょう)の出陣式(しゅつじんしき)に列(れっ)する
我(わ)が兵(へい)隊(たい)の行進(こうしん) 集合(しゅうごう)の路(みち)
道(みち)なき広(こう)野(や)を縦(じゅう)断(だん) 横(おう)断(だん)して
集(つど)い来(きた)りたり
○ 千(せん)有余(ゆうよ)よくぞ国(こく)力(りょく)整(ととの)いたり
駒(こま)のいななき車(くるま)の音(おと)
大日章旗(だいにっしょうき)の元(もと)に集(つど)う若(わか)者(もの)
砂(すな)煙(けむ)りに中(なか)にりょうりょうたる
らっぱの音(おと)と共(とも)に我等(われら)の軍旗(ぐんき)
陽光(ようこう)まぶしき北支(ほくし)の広野(こうや)に
さんぜんと輝(かがや)き進(すす)み来(く)る
男児(だんじ)の本懐(ほんかい) 軍旗(ぐんき)の元(もと)に
我死(われし)せん健児(けんじ)は五千(ごせん)

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部(ぶ)隊(たい)長(ちょう)の号(ごう)令(れい) 軍(ぐん)旗(き)を拝(はい)し
はるか東(ひがし)の天(そら)宮(きゅう)城(じょう)を伏(ふ)し拝(おが)む
海(うみ)行(ゆ)かば水(みず)く屍(かばね)
山(やま)行(ゆ)かば草(くさ)むす屍(かばね) 大(おお)君(きみ)の
足しびきのラッパの厳(おごそ)かに
ひしひしと胸(むね)に廻(めぐ)りぬ
安(やす)らかなれ我(わ)が祖(そ)国(こく)
大(おお)君(きみ)の御(み)楯(たて)となりていざ行(ゆ)かん
訓(くん)示(じ)終(お)わりて分(ぶん)隊(たい)の長(なが)さ
堂(どう)々(どう)と 堂(どう)々(どう)と歩武 馬 車
我(われ)等(ら)は強(つよ)し
明(あ)くる日(ひ)北(ほく)支(し)の民(たみ)に送(おく)られて
勇(ゆう)躍(やく)征(せい)途(と)に上(あが)る
荷(に)を運(はこ)ぶ馬(ば)車(しゃ)の群(む)れ
いそいそと送(おく)る皇(こう)軍(ぐん)の
威(い)歩(ほ)はるかに
行(ゆ)き渡(わた)りて
日(にっ)支(し)の精(せい)は相(あい)結(むす)びたり

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広野の月 一月十八日
見(み)渡(わた)す限(かぎ)りの平野(へいや)に夕日(ゆうひ)が
落(お)ちて星(ほし)が二(ふた)つ三(み)つ輝(かがや)きだした
暮(く)れた広(こう)野(や)は物(もの)淋(さび)しく
汽(き)車(しゃ)の雑(ざつ)音(おん)のみ頭(あたま)にのこる
月(つき)が出(で)る ああ 月(つき)が出(で)た
月(つき)は今(いま)ほのぼのと上(のぼ)り始(はじ)めて
周(しゅう)囲(い)がだんだん明(あか)るくなる
堤(つつみ)の上(うえ)を走(はし)る汽(き)車(しゃ)の窓(まど)に
故(こ)郷(きょう)と変(か)わらぬ月(つき)を見(み)て皆(みな)が
窓(まど)にもたれて望郷(ぼうきょう)の念(ねん)さりがたし
地平(ちへい)線(せん)の彼方(かなた)がかすんでいる
橋(はし)のそばのトーチカにも歩哨(ほしょう)なく
いかめしい鉄条網(てつじょうもう)ばかり
月(つき)が出(で)て明(あか)るい北(ほく)支(し)の野(の)を
北(きた)に南(みなみ)に目(もく)的(てき)地(ち)は近(ちか)し
母(はは)の見(み)送(おく)り月(つき)に似(に)て
慈(じ)愛(あい)ここまでとどきけるかも

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敵潜 二月十九日
基(き)地(ち)を出(で)て二(に)時(じ)間(かん)遠(とお)く去(さ)り行(い)く
懐(なつ)かしい島(しま)影(かげ)を見(み)て思(おも)い思(おも)い
甲(かん)板(ぱん)上(じょう)で納(のう)涼(りょう)していた
潜(せん)水(すい)艦(かん)と言(い)ふ聲(こえ)が突(とつ)然(ぜん)した
配(はい)置(ち)に就(つ)けのラッパがなる
水(すい)平(へい)達(たち)が右(みぎ)に左(ひだり)に走(はし)る
唯(ただ)みんなが笑(わら)っているので何事(なにごと)と
思(おも)ってみていると急(きゅう)に船(ふね)がぐっと
ゆれた曲したのだ
何(なに)気(げ)なく海(かい)面(めん)を見(み)ると
白(しろ)く細(ほそ)い雷(らい)跡(せき)をのこして
二(に)本(ほん)三(さん)本(ぼん)魚(ぎょ)雷(らい)が行(い)く
ものすごい速(はや)さだ
しゅしゅ と白(しろ)く進(すす)む魚(ぎょ)雷(らい)
波(なみ)にゆれてぽんと浮(う)かぶと又(また)
進(すす)む 一(いち)番(ばん)船(せん)と二(に)番(ばん)船(せん)の
中(なか)を間(かん)一(いっ)髪(ぱつ)の差(さ)で抜(ぬ)けた
船がさけ得られたのだ

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哨(しょう)戒(かい)中(ちゅう)の飛(ひ)行(こう)機(き)が敵(てき)潜(せん)を見(み)つけたのか
急(きゅう)降(こう)下(か) 爆(ばく)弾(だん)を投(とう)下(か)
白(しろ)い水(みず)煙(けむ)りと共(とも)に大(おお)きな爆(ばく)音(おん)がした
護(ご)衛(えい)の駆(く)逐(ちく)艦(かん)が右(みぎ)に急(きゅう)行(こう)した
陸(りく)軍(ぐん)救(きゅう)命(めい)具(ぐ)を着(つ)け
電(でん)聲(せい)かんが響(ひび)く 船(せん)内(ない)が急(きゅう)に
どやどやして部(へ)屋内(やない)にかけこむ
今迄(いままで) 兎角(とかく)のんびりしていたけど
急(きゅう)に緊張(きんちょう)した様(よう)になる
これから少(すこ)しすると皆(みな)『ふかの餌(えさ)』
になると思(おも)い出(だ)す
幸(さいわ)いに発(はっ)見(けん)早(はや)きを得(え)た為(ため)無(ぶ)事(じ)
基(き)地(ち)の見(み)ゆるこんな地(ち)で敵(てき)潜(せん)を
見(み)て全(まった)く海(うみ)の戦(せん)争(そう)のむずかしさを
しみじみと思(おも)う
敵(てき)潜(せん)一(いっ)隻(せき)撃(げき)沈(ちん) 海(うみ)の兵(へい)者(しゃ)は
以(い)後(ご)も相(あい)変(か)わらず元(げん)気(き)なり

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