Australian War Memorial - AJRP
   
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田村義一の日記 61–90ページ

ふりがな付き日記文
誌上(しじょう)慰問(いもん)より 四月十二日
こんな南海(なんかい)の果迄(はてまで)はるばる
慰問(いもん)に来(き)て呉(く)れた君(きみ)
あらわし江(え)の便(たよ)りをかかんと
雨(あめ)上(あ)がりの空(そら)を見(み)てペンを取(と)り
感謝(かんしゃ)にむせぶその瞳(ひとみ)
こんな地(ち)迄(まで)わざわざ
本(ほん)当(とう)に懐(なつ)かしい君(きみ)の出(しゅつ)現(げん)に
我(われ)心(こころ)より慕(した)しき
誌(し)上(じょう)でみる君(きみ)は又(また)実(じつ)の
様(よう)にうるはしくやさし
思(おも)い乱(みだ)るれど思(おも)いとどかじ
君(きみ)が背(せ)に幸(さち)を祈(いの)りて
我(われ)を去(さ)らす

君(きみ)の名(な)は知(し)らず
心(こころ)の友(とも)となし
忘(わす)れじ花(はな)の香(かお)り

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(四月十三日)

雨(う)季(き)の如(ごと)降(ふ)りつづきたり細(ほそ)雨(あめ)に
先(せん)発(ぱつ)され志(し)戦(と)友(も)偲(しの)びなや

ねぐらなき雨(あめ)に打(う)たれて夜(よ)もすがら
守(まも)る歩(ほ)哨(しょう)の瞳(ひとみ)ぬらさん

送(おく)られ志(し)祖(そ)国(こく)の香(かお)り唯(ただ)一(ひと)つ
君(きみ)の形(かた)見(み)を獨(ひと)り取(とり)出(だ)し

戦(せん)場(じょう)に露(つゆ)と散(ち)るべき身(み)と知(し)れど
止(や)まぬ小(こ)雨(さめ)に空(そら)うらめしく

思(おも)いきし敵(てき)にも会(あ)えず唯(ただ)うつろ
病(:)療(:)す身(み)が情(なさ)けなくあり

空(から)元(げん)気(き)でも良(よ)い(い)からと大(おお)声(ごえ)に
返(へん)事(じ)しつつも身(から)体(だ)疲(つか)れて

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百(ひゃく)姓(しょう)としては未(ま)だ三(さん)分(ぷ)都(と)会(かい)人(じん)としては
本(ほん)当(とう)の一(いち)部(ぶ)位(くらい)しか値(あたい)なき今(きょう)日
自(じ)己(こ)の良(りょう)心(しん)がしみじみ恥(はず)かしい
一(いち)人(にん)前(まえ)の人(ひと)として生(せい)活(かつ)にたずさわり
社(しゃ)会(かい)人(じん)とうぬぼれて来(き)しが
何(なん)となくこの世(よ)の事(こと)とも思(おも)えぬ
どんな仕(し)事(ごと)でも本(ほん)心(しん)から打(う)ち込(こ)んで
行(ゆ)けざりし 我(われ)は半(はん)生(せい)不(ふ)幸(こう)なり
情(じょう)操(そう)が何(なん)だ 教(きょう)育(いく)が何(なん)だ
戦(せん)場(じょう)で思(おも)うは唯(ただ)天(てん)道(どう)だ
義(ぎ)と愛(あい)の世(せ)界(かい)である
良(りょう)心(しん)に忠(ちゅう)実(じつ)なれ
この言(げん)がしみじみと有(あり)難(がた)く
これから一(いち)人(にん)前(まえ)の百(ひゃく)姓(しょう)か又(また)立(りっ)派(ぱ)に
独(どく)立(りつ)して行(い)ける職(しょっ)工(こう)とならん
娯(ご)楽(らく)を求(もと)めるは余(よ)力(りょく)の出(で)来(き)た後(あと)
始(はじ)めて許(ゆる)さるべき事(こと)

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雨(あめ)が降(ふ)る
雨(あめ)が降(ふ)る降(ふ)る南(なん)国(ごく)の
椰(や)子(し)の梢(こずえ)にジャングルに
細(ほそ)い小(こ)糸(いと)のたる様(よう)に
止(や)むともなしに雨(あめ)が降(ふ)る

自(じ)分(ぶん)で作(つく)ったこの家(いえ)で
雨(あめ)に会(あ)う(う)度(たび)思(おも)うのは
故郷(こきょう)の家(いえ)がなつかしい
瓦(かわら)の屋根(やね)がなつかしい

此(こ)處(こ)は戦(せん)線(せん)南(なん)海(かい)の
果(はて)に降(ふ)る降(ふ)る五(さつ)月(き)雨(あめ)
敵(てき)の矢(や)弾(だ)丸(ま)は恐(おそ)れねど
日(ひ)毎(ごと)の雨(あめ)はうらめしい

雨(あま)宿(やど)り虫(むし)も一(いっ)緒(しょ)で
椰(や)子(し)の陰(かげ)


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故郷(こきょう)の友(とも)へ 四月十二日
栄治(えいじ)さん其(そ)の後(ご)元(げんき)気ですか
この頃(ごろ)此方(こちら)は雨期(うき)であるのか
毎日(まいにち)じとじとと降雨(あめふり)です
天(てん)幕(と)張(ば)りの宿舎(しゅくしゃ)の前(まえ)に皆(みな)で
野菜(やさい)ほしさに播(ま)いた菜(な)種(たね)が
糸(いと)の様(よう)に細(ほそ)く伸(の)びて
一(いち)番(ばん)上(うえ)に葉(は)の小(ちい)さいのが二(に)枚(まい)程(ほど)
出(で)て来(き)ました
当地(とうち)では内地(ないち)の野菜(やさい)は駄目(だめ)ですね
兵隊(へいたい)さん一度(いちど)に落胆(らくたん)してしまいました
内地(ないち)は今(いま)春(はる)盛(ざか)りですね
青々(あおあお)とした田園(でんえん)にれんげも菜種(なたね)も
花(はな)盛(ざか)りでしょう
今年(ことし)の春(はる)は山(やま)に遊(あそ)び乍(なが)ら
鍛錬(たんれん)に行(い)こうと話(はな)しつつ
遂(つい)に応召(おうしょう)から実(じつ)現(げん)出(で)来(き)ず
君(きみ)一人(ひとり)で山(やま)登(のぼ)りしている事(こと)であろうと

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想像(そうぞう)しています
二月(にがつ)にお祝(いわ)いするとか申して
居(お)りましたあの件(けん)
美(うつく)しい新(にい)嫁(よめ)さんの名(な)は何(なん)と
申(もう)しますか お祝(いわ)いも申(もう)し上(あ)げず
悪(あ)しからず
当(とう)地(ち)に上(じょう)陸(りく)以(い)来(らい)非(ひ)常(じょう)に多(た)忙(ぼう)で
遂(つい)お便(たよ)りを上(あ)げ得(え)ず
皆(みな)様(さま)によろしく
珍(めずら)しいと言(い)えば皆(みな)珍(めずら)しく
又(また)ないと言(い)えば何(なに)もない現(げん)地(ち)
山(やま)の好(す)きな君(きみ)なら大(たい)変(へん)喜(よろこ)ぶ
だろうと思います
益(ます)々(ます)元(げん)気(き)で仲(なか)良(よ)くお暮(く)らしの
程(ほど)お祈(いの)り申します
草々

栄治様 義一 拝

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(四月十三日)
遠(とお)い海(うみ)越(こ)え山(やま)越(こ)えて
俺(おれ)もはるばるやって来(き)た
南(みなみ)十字(じゅうじ)の星(ほし)の下(した)
此処(ここ)は戦線(せんせん)ニューギニア

椰(や)子(し)の梢(こずえ)のゆるる今(きょ)日(う)
沖(おき)の浪(なみ)音(おと)高(たか)き夜(よる)
銃(じゅう)を取(と)る身(み)を慰(なぐさ)めて
ないて呉(く)れるか南(なん)国(ごく)鳥(ちょう)
(夜(よる)の虫(むし))
わにの住(す)むよなジャングルに
蛇(へび)がはいだす山(やま)の谷(たに)
いとわずひらひら建(けん)設(せつ)は
明(あ)ける亜(あ)細(じ)亜(あ)の鐘(かね)のねか

此処(ここ)は戦線(せんせん)

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日毎訪(ひごとおと)ずるボーイング
何(なん)とこしゃくと高射砲(こうしゃほう)
織(お)り成(な)す夜(よる)のセレナーデ
爆弾(たま)の洗礼(せんれい)幾度(いくたび)ぞ

今日(きょう)は雨(あめ)降(ふ)り敵(てき)もなく
故郷(くに)への便(たよ)りしたためて
思(おも)わずもらすのろけこそ
すぎし青春(せいしゅん)誰(たれ)が志(し)る

灯(あか)りともらん天(てん)幕(まく)に
夜(よる)の歩(ほ)哨(しょう)に銃(じゅう)取(と)れば
蛙(かえる)なき交(か)い蛍(ほたる)とび
南(なん)国(ごく)の夜(よ)は更(ふ)けて行(ゆ)く

以上

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胸(むね)痛(いた)む病(やまい)重(かさ)なり療(りょう)養(よう)す
雨(あめ)のジャングル物(もの)淋(さび)しく暮(くれ)る

雨(あま)もりに寝(ね)床(どこ)うつして今(きょ)日(う)も又(また)
良(よ)く降(ふ)るなあと戦(と)友(も)はつぶやく

黄昏(たそがる)る雨(あめ)のジャングル蝉(せみ)なきて
今日(きょう)も無事(ぶじ)かと蚊(か)やをつるらん

訪(たず)ね来(き)志(し)戦(と)友(も)に御(ご)馳(ち)走(そう)するんだと
背(はい)のう探(さが)す情(なさけ)うれしき

洪(こう)水(ずい)に流(なが)され来(き)しか蝉(せみ)の子(こ)は
止(とま)り木(ぎ)求(もと)めくびをあちこち

止(や)みもせぬ雨期(うき)のジャングル
床(ゆか)高(たか)く立(た)つままくぐる
天幕(てんと)小屋(ごや)かな

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友(ゆう)軍(ぐん)機(き)夜を日についで敵(てき)空(そら)に
翼(つばさ)休(やす)める暇(いとま)なくして

求(もと)め行(ゆく)く道(みち)こそたかし大(やま)和(と)女(め)の
光(ひかり)に照(て)らす宝(たから)塚(づか)かな

駄(だ)作(さく)ばかりどんなにかいても
下(へ)手(た)ばかりこんな紙(かみ)損(そん)する
事(こと)ぞ淋(さび)しく

熱(ねつ)ありて床(ゆか)に伏(ふ)す戦(と)友(も)慰(なぐさ)めて
敵(てき)を攻(せ)め行(ゆく)く心(こころ)ぞゆかし

四月十四日

< 70 >
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顔(かお)そりて子供(こども)になり班長(はんちょう)に
年(とし)を二度(にど)聞く(きく)天幕(てんと)小屋(ごや)にて

飯(めし)上(あ)げにぬれてかえらん初(しょ)年(ねん)兵(へい)
我(われ)の当(とう)地(ち)を思(おも)い浮(う)かべて

種(た)子(ね)播(ま)けど太(たい)陽(よう)照(て)らず唯(ただ)細(ほそ)く
伸(の)びる野(や)菜(さい)に希(き)望(ぼう)空(むな)しく

防(ぼう)空(くう)壕(ごう)雨(あめ)降(ふ)る度(たび)に一(いっ)ぱいで
何(なん)のためやら更(さら)に分(わ)からず

捨(す)て行(ゆ)き志(し) 戦(と)友(も)の日(にっ)記(き)を
ひもとけば妻(つま)の便(たよ)りぞ心(こころ)打(う)つらん

故(こ)郷(きょう)より誌(し)上(じょう)慰(い)問(もん)の人(ひと)として
立(た)ちし彼(かれ)への心(こころ)深(ふか)くし

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南(かぼ)瓜(ちゃ)取(と)り路(みち)をちがえて小(こ)半(はん)日(にち)
ジャングル内(ない)をじしゃく頼(たよ)りに

足(あし)跡(あと)は無(む)数(すう)にあれど更(さら)にまだ
合(あ)わぬ猛(もう)獣(じゅう)何(ど)處(こ)に居(い)るやら

天(そら)はれて河(か)水(すい)清(きよ)めど雨(あめ)上(あが)り
丸(まる)木(き)のはしを渡(わた)り危(あや)うし

椰(や)子(し)取(と)りて呑(の)みし想(おも)いがつれづれに
鎌(かま)持(じ)参(さん)して今(きょう)日も出(で)かける

陽(ひ)に焼(や)けてたくましうなれる
戦(せん)友(ゆう)と我(わ)が腕(うで)撫(ぶ)して
時(と)季(き)を待(ま)つらん

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そらはれぬ
幾(いく)日(にち)ぶりかで星(ほし)を見(み)る
大(たい)木(ぼく)の梢(こずえ)ごしにきらきら光(ひか)るあの
星(ほし)が何(なん)とはなく懐(なつ)かしい
山(やま)の中(なか)に生(せい)活(かつ)して胸(むね)突(つ)く家(いえ)に
起(き)居(きょ)すれば澄(す)みきったあの
大(おお)空(ぞら)への憧(あこが)れも一(ひと)入(しお)か
雨上り(あめあがり)の為(ため)か浪音(なみおと)も高(たか)し
大東南波(だいとうなんば)の来(く)る時(とき)の様(よう)に
みんなが発(た)ってから一週間(いちしゅうかん)
非常(ひじょう)に長(なが)い期(き)間(かん)であった
様(よう)な気(き)がする
二度(ふたた)び大命(たいめい)を拝(はい)してより
未だ(いまだ)敵(てき)とは合(あ)えず腕(うで)を撫(ぶ)し
無量(むりょう)をかこい
花(はな)の四月(しがつ)に

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無(む)量(りょう)
この土(と)地(ち)が故(こ)郷(きょう)より何(なん)千(ぜん)里(り)も
はなれて居(い)ると言(い)う事(こと)がとても
信(しん)じられぬ だけど船(ふね)で十(とお)日(か)も
黒(くろ)潮(しお)をのりこえて来(き)た事(こと)と
思(おも)い合(あわ)せれば偽(いつわ)らざる事(じ)実(じつ)
兵(へい)隊(たい)で来(き)て居(い)るとどんなに遠(とお)い
戦地(せんち)であろうと呑気(のんき)に
うそぶいて生活(せいかつ)している
金(かね)も見栄(みえ)も外聞(がいぶん)もない 元気(げんき)と
義(ぎ)さえ欠(か)けざればそれで立派(りっぱ)
仕事(しごと)のない生活(せいかつ)では遊(あそ)びに
忙(いそが)しく戦(せん)斗(と)では敵(てき)を伏(ふ)すに
懸(けん)命(めい) 合(あい)間(ま)は準(じゅん)備(び)で
これで生(せい)活(かつ)の全(すべ)面(て)である
何(なん)の表(おもて)裏(うら)もなく

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陣中(じんちゅう)のつれづれに拝見(はいけん)したこの歌劇(かげき)
しみじみと己(おのれ)の浅学(せんがく)が恥(は)ずかしい
第(だい)一(いち)英(えい)字(じ)がよめぬ
歌(か)詞(し)をみても情(じょう)味(み)さえ余(あま)り起(お)きず
遠(とお)い別(べつ)の出(で)来(き)事(ごと)の様(よう)にうつる
社(しゃ)会(かい)の増(ぞう)が幾(いく)千(せん)とあるとしたら
やっと芽(め)生(ば)えたばかりの雑(ざっ)草(そう)にも
等(ひと)しい現(げん)在(ざい)であろう
一(いっ)生(しょう)の生(せい)活(かつ)を通(とお)して終(しゅう)生(せい)の心(しん)境(きょう)が
如(い)何(か)に変(へん)化(か)しようと
学(まな)ばんと欲(ほっ)する心(こころ)は永久(えいきゅう)に
変(かわ)らざると信(しん)ず
今(いま)からでも境遇(きょうぐう)が許(ゆる)すならば
希望(きぼう)の道(みち)に進(すす)みたいと思(おも)う
親(おや)兄(きょう)弟(だい)に不(ふ)幸(こう)をして自(じ)己(こ)を
生(い)かし得(う)る人(にん)間(げん)でない所(ところ)に
又(また)人(じん)生(せい)の趣(しゅ)旨(し)があるのかも
知(し)れざる

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多(た)感(かん)の様(よう)でその実(じつ)何(なん)の感(かん)情(じょう)も
分(わ)からざる
詩(し)を作(つく)るにしても唯(ただ)三(さん)十(じゅう)一(いち)文(もじ)字を
べたべたと並(なら)べる意(い)外(がい)何(なん)の
事(こと)もないのに情(なさ)けなく思(おも)う
師(し)もなき獨(ひと)り道(みち)なるが故(ゆえ)
一(ひと)人(り)で学(まな)んでひとり嬉(よろこ)ぶ

にわか作(づく)りの机(つくえ)の上(うえ)に草(くさ)花(ばな)生(い)けてる
ひげだるま

椰(や)子(し)取(と)りに出(で)で立(た)つ戦(と)友(も)を
見(み)送(おく)りて帰(かえ)りを待(ま)つと
笑(え)顔(がお)のこさん

天(てん)地(ち)唯(ただ)人(じん)事(じ)を尽(つく)して
天(てん)命(めい)を待(ま)つ

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白(はく)雲(うん)の上(うえ)をとんでるボーイング
高(こう)射(しゃ)砲(ほう)弾(だん)今(きょ)日(う)も当(あた)らず

太(たい)陽(よう)を北(きた)に見(み)ている戦(せん)線(せん)を
地(ち)図(ず)にして思(おも)う赤(せき)道(どう)こえを

落(おち)葉(ば)の音(ね)淋(さび)しく思(おも)う病(びょう)室(しつ)に
祖(そ)国(こく)の秋(あき)を偲(しの)ぶ戦(せん)線(せん)

南(なん)国(ごく)の夜(よ)を驚(おどろ)かす爆(ばく)撃(げき)に
夢(ゆめ)路(じ)破(やぶ)れて壕(ごう)に非(ひ)難(なん)す

夜(よ)毎(ごと)来(く)る故(こ)郷(きょう)の夢(ゆめ)は嬉(うれし)とも
胸(むな)さわぐみる便(たよ)りなくして

食(しょく)事(じ)毎(ごと)野(や)菜(さい)ほしさに作(つく)りたり
裏(うら)の畑(はたけ)の芽(め)伸(の)びよと願(ねが)ふ

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太(たい)陽(よう)は北(きた)だ
君(きみ) 南(みなみ)はどちらだ 戦(せん)友(ゆう)同(どう)志(し)五(ご)六(ろく)人(にん)
何(なに)気(げ)なく話(はな)しだした
子供(こども)の時(とき)からの覺(おぼ)えで太陽(たいよう)は
東(ひがし)から出(で)て南(みなみ)を通(とお)り西(にし)に沈(しず)む
誰(だれ)もがそう信(しん)じて居(い)る
こっちだ 太(たい)陽(よう)は今(いま)正(しょう)午(ご)近(ちか)く
太(たい)陽(よう)の方(ほう)を指(ゆび)さす 何(なん)だ君(きみ)は
或(あ)る友(とも)は「待(ま)てよ」と考(かんが)えて太(たい)陽(よう)と
反(はん)対(たい)だ そうだ赤(せき)道(どう)をこえているのを
何(い)時(つ)となく忘(わす)れている
赤(せき)道(どう)をこえて太(たい)陽(よう)北(きた)に見(み)る
何(なん)ともない事(こと)なれど時(とき)とすると
まだ太(たい)陽(よう)は南(みなみ)とばかり思(おも)う
点(てん)呼(こ)の宮(きゅう)城(じょう)遥(よう)拝(はい)も北(きた)向(む)き
所(ところ)変(かわ)ると全(まった)く北(きた)が懐(なつ)かしいとは
皮(ひ)肉(にく)ともなんとも一(ひ)人(とり)おかしい

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退(たい)屈(くつ)だより
蝉(せみ)しぐれ今日(きょう)もジャングル明日(あす)もジャングル 始(はじ)めは今頃(いまごろ)蝉(せみ)がないていると
一(いっ)種(しゅ)懐(なつ)かしい又(また)季(き)節(せつ)のはずれの
珍(ちん)感(かん)ありしが毎(まい)日(にち)雨(あめ)の日(ひ)も
夜中迄(よなかまで) 時(とき)になれるといやな
感(かん)がする こうるさい感(かん)じだ
四(し)月(がつ)も半(なか)ばすぎる頃(ころ)この地(ち)は
幾(いく)分(ぶん)涼(すず)しくなり 夜(よ)明(あ)けには
寒(さむ)い様(よう)な気(き)がする
これから太(たい)陽(よう)が北(きた)回(かい)帰(き)に行(い)く
のかも知(し)れない
熱(ねっ)帯(たい)の地(ち)としては余(あま)り暑(あつ)くない
然(しか)るに湿(しっ)気(け)だけは何(なん)でも
かびる程(ほど)強(つよ)し
大(たい)気(き)中(ちゅう)の水(すい)分(ぶん)多(おお)すぎるのだ
背(はい)のうに入(い)れし乾(かん)パンも
白(しろ)くかびて食(た)べられぬ

< 79 >
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毎(まい)日(にち)同(おな)じ食(しょく)物(もつ)給(きゅう)与(よ)で
すっかりあきれた古(こ)参(さん)兵(へい)何(なに)かと
口(くち)珍(めずら)しいものを探(さが)すに苦(く)心(しん)
あるはずがない現(げん)地(ち)
土(ど)人(じん)さえも稀(まれ)に見(み)るこの山(さん)中(ちゅう)に
食(た)べ物(もの)を心(しん)配(ぱい)する方(ほう)が無(む)理(り)
故(こ)郷(きょう)に出(だ)す便(たよ)りもあきた
出(だ)すはがきなく 現(げん)品(ぴん)不(ぶ)足(そく)
故郷(こきょう)のロマンスを語(かた)らう友(とも)も
話(はなし)しあきる 慾(よく)のない生(せい)活(かつ)で
何(い)時(つ)も食(た)べ物(もの)の事(こと)ばかり
南(なん)国(ごく)のつれづれに何(なに)かないかな

残(ざん)飯(ぱん)を焼(や)いて食(た)べてる
古(こ)参(さん)兵(へい)

四月十八日

< 80 >
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夢(ゆめ)
出(しゅっ)征(せい)の際(さい)思(おも)ひつつのこせし
遺(い)書(しょ)や随(ずい)筆(ひつ)は
あれは焼(や)くに限(かぎ)る
時(とき)々(どき)夢(ゆめ)をみると變(へん)な気(き)がする
戦(せん)地(ち)に居(お)り乍(なが)ら再(さい)度(ど)の召(しょう)集(しゅう)を
幾(いく)度(ど)も受(う)ける
操(みさお)達(たち)に送(おく)らる迄(まで)は良(よ)きが
気(き)がつくがまてよ俺(おれ)は今(いま)
兵(へい)隊(たい)だ そんな夢(ゆめ)と思(おも)うと
眠(ねむ)りがさめる
本(ほん)当(とう)の馬(ば)鹿(か)馬(ば)鹿(か)しい夢(ゆめ)
故(こ)郷(きょう)のたよりもありなく
花(はな)の四(し)月(がつ)青(あお)葉(ば)に呉(く)れるだろう

英(えい)霊(れい)の入(にゅう)営(えい)夢(ゆめ)むニューギニア
夢(ゆめ)はおかしく戦(と)友(も)に笑(わら)わる

< 81 >
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悲報 (四月二十日)
何(なん)だ出発(しゅっぱつ)するのかこれは残念(ざんねん)だな
分隊(ぶんたい)の人(ひと)達(たち)によろしく
「うんよく言(い)っとくぞ」
田(た)中(なか)戦(せん)友(ゆう)が班(はん)長(ちょう)達(たち)と使(し)役(えき)帰(かえ)りに
浜(はま)辺(べ)で船(ふね)待(ま)つ間(あいだ)こんな会(かい)話(わ)を
して別(わか)れた友(とも)が今(け)朝(さ)本(ほん)部(ぶ)より
中(ちゅう)隊(たい)の古(こ)参(さん)兵(へい)一(ひとり)人来(きて)て 昨(ゆう)夕(べ)
出発(しゅっぱつ)した船(ふね)がやられた
こんな通報(つうほう)の来(き)た時(とき) 何(なに)馬鹿(ばか)な
と思(おも)わざるを得(え)なかった
こんなに早(はや)く皮(ひ)肉(にく)な運(うん)命(めい)に
なろうとは思(おも)はざり
朝(あさ)病(びょう)室(しつ)より玉(たま)井(い)上(じょう)等(とう)兵(へい)行(い)く
未(いま)だ帰(かえ)らぬまま 胸(むね)さわぐ

後記
悲報確実犠牲九名(四月十九日)

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四月十九日
海(うみ)の浪(なみ)の上(うえ)にぽっかり丸(まる)い月(つき)が出(で)た
夕(ゆう)闇(やみ)たそがれて岬(みさき)の影(かげ)黒(くろ)くなり
浪(なみ)音(おと)を子(こ)守(もり)唄(うた)に日(にっ)中(ちゅう)の多(た)忙(ぼう)なる
使(し)役(えき)に疲(つか)れてか浜(はま)辺(べ)の
兵(へい)舎(しゃ)も静(しず)か(か)になった
絶(ぜっ)対(たい)なる燈(とう)管(かん)下(か)なる故(ゆえ)に
灯(あか)りは本(ほん)当(とう)に点(てん)々(てん)たり
ポンポン蒸(じょう)気(き)の音(おと)二(ふた)つ三(みっ)つ
暮(く)れる異(い)郷(きょう)の港(みなと)
我(われ)々(われ)も今(きょ)日(う)一日(いちにち)使(し)役(えき)作(さ)業(ぎょう)を
終(お)わりて波(は)止(と)場(ば)の船(ふな)着(つ)きに休(やす)む
休(やす)むと言(い)うよりは連(れん)絡(らく)の不(ふ)備(び)
より遊(あそ)んで居(い)たと言(い)おうか
伝(でん)令(れい)船(せん) この人(ひと)達(たち)をポーラム
岬(みさき)に送(おく)れ 指(し)揮(き)官(かん)の言(げん)で
やっと船(ふね)に乗(の)る

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海上(かいじょう)はうすぼんやりとけぶる
十五夜(じゅうごや)だ まるまるの月(つき)はうす雲(ぐも)の
中(なか)より次第(しだい)に光(ひかり)を増(ま)す
皆(み)んな乗(の)った誰(だれ)も余(あま)り語(かた)らず
月(つき)の出(で)るを見(み)る 島(しま)影(かげ)黒(くろ)く
なる岸(きし)を進(すす)みだした
見(み)る目(め)には差(さ)程(ほど)ゆれなくも
船(ふね)は木(この)葉(は)の如(ごと)く左(さ)右(ゆう)さる
波(なみ)にゆられて どどー・どどどー・と
発(はつ)動(どう)機(き)船(せん)は進(すす)む
沖(おき)の汽(き)船(せん)を廻(まわ)り真(まん)中(なか)に
出(で)た月(つき)も雲(くも)より出(で)た
急(きゅう)に波(なみ)が白(しろ)く輝(かがや)きだして
美(うつく)しくなる 山(やま)の上(うえ)雲(くも)白(しろ)く
一(いっ)点(てん)の詩(し)情(じょう)だ
夏(なつ)だ 海(うみ)風(かぜ)が気(き)持(も)ちよく涼(すず)しい

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戦(せん)場(じょう)の常(つね)として日(にち)夜(や)奮(ふん)斗(とう)と言(い)い
月(つき)の光(ひかり)にぬれて歸(き)路(ろ)の船(せん)中(ちゅう)
誰(だれ)も故郷(こきょう)の月(つき)と変(かわ)らぬ月(つき)を
思(おも)いみた事(こと)であろう
頭上(ずじょう)に星(ほし)がまばらに輝(かがや)き出(だ)す
地(ち)平(へい)線(せん)は煙(けむ)りて何(なに)もなく
押(お)し寄(よ)す浪(なみ)の音(ね)船(ふな)べりを
打(う)ちたり
久(ひさ)しい海(うみ)の生(せい)活(かつ)を思(おも)い浮(う)かべて
星(ほし)を見(み)つめていたら何(い)時(つ)か
船(ふね)は目(もく)的(てき)地(ち)に近(ちか)づいて居(い)た

月(げっ)光(こう)にぬれて作(さ)業(ぎょう)の兵(へい)還(かえ)る
星(ほし)影(かげ)に船(ふね)ゆられける作(さ)業(ぎょう)兵(へい)
十(じゅう)五(ご)夜(や)を戦(せん)地(ち)で偲(しの)ぶ交(こう)通(つう)船(せん)

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基地(きち)の夕(ゆう)暮(ぐ)れ
沖(おき)の波間(なみま)に夕日(ゆうひ)が沈む(しずむ)戦場(せんじょう)の
日(ひ)暮(ぐ)れには静(しず)かすぎる様(よう)な
夏(なつ)雲(ぐも)のはしが山(やま)の上(うえ)に出(で)ていた
椰(や)子(し)の木(こ)立(だち)も黒(くろ)くなってくる
何(ど)処(こ)かで夕(ゆう)げの喇(らっ)叭(ぱ)がなる
波(は)止(と)場(ば)に伍々(ごご)歸(かえ)り来(く)る小(しょう)艇(てい)
何(なん)となく詩(し)情(じょう)の様(よう)にうつろう
一時(いっとき)である 空(そら)を覆(おお)いて友(ゆう)軍(ぐん)機(き)が
還(かえ)って来(き)た。四(よん)機(き)五(ご)機(き)
見(み)事(ごと)なる編(へん)隊(たい)で頭(ず)上(じょう)に迫(せま)る
夕(ゆう)暮(ぐ)れ迫(せま)る基(き)地(ち)の上(じょう)空(くう)で
指(し)揮(き)官(かん)機(き)が翼(つばさ)を左(さ)右(ゆう)に振(ふ)る
地(ち)上(じょう)に何(なに)か合(あい)図(ず)をしているのか
二(に)回(かい)三(さん)回(かい)振(ふ)ると編(へん)隊(たい)をといて
思(おも)い思(おも)いの方(ほう)にとぶ
下(お)りるのだ

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一(いっ)機(き)が雲(くも)の方(ほう)に一(いっ)機(き)は山(やま)の上(うえ)に
先(せん)頭(とう)機(き)は低(ひく)く大(おお)きく旋(せん)回(かい)して
翼(つばさ)を振(ふ)っているそして一(いっ)旋(せん)して
木(こ)陰(かげ)の基(き)地(ち)に降(お)りて行(い)った
他(た)の機(き)は爆(ばく)撃(げき)の疲(ひ)労(ろう)を
みせているに正(ただ)しく自(じ)己(こ)の準(じゅん)を
待(ま)って(て)一(いっ)回(かい)二(に)回(かい)と海(うみ)の上(うえ)迄(まで)
廻(まわ)って来(く)る 又(また)一(いっ)機(き)下(お)りた
夕(ゆう)暗(やみ)迫(せま)る頃(ころ)任(にん)務(む)を果(は)たして
我(わ)が家(や)に歸(かえ)る子(こ)供(ども)の如(ごと)く
更(さら)に元(げん)気(き)に見(み)せて順(じゅん)をまつ
皆(みん)なが空(そら)を見(み)て御(ご)苦(く)労(ろう)さんと
口(くち)には出(だ)さねど心(こころ)に誓(ちか)って
感(かん)謝(しゃ)する 若(わか)き花(はな)形(がた)戦(せん)士(し)よ
黄(たそ)昏(がれ)れる基(き)地(ち)に全(ぜん)機(き)無(ぶ)事(じ)
着(ちゃく)陸(りく)して爆(ばく)音(おん)止(や)むと
急(きゅう)にあたりが暗(くら)くなった

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黄(たそ)昏(が)れて友(ゆう)機(き)が還(かえ)る三(さん)機(き)五(ご)機(き)
任(にん)務(む)果(はた)して意(い)気(き)高(たか)々(だか)と

歸(かえ)り来(く)る基(き)地(ち)夕(ゆう)暮(ぐ)れて静(しず)かなり
夏(なつ)雲(ぐも)浮(うき)きて空(そら)はればれと

友(とも)の悲(かな)しき沈(しず)みぬ海(かい)上(じょう)

丸(まる)呑(の)みに友(とも)を盡(つく)せし海(かい)上(じょう)は
小(こ)波(なみ)たちて跡(あと)かたもなく

波(なみ)たちて常(いつ)々(も)変(かわ)らざる海(うみ)なれど
友(とも)を呑(の)みしと思(おも)えばにくし

探(たず)ねたれど遂(つい)に出(い)でざる戦(せん)友(ゆう)の
何(ど)處(こ)まで行(ゆ)きしか異(い)海(かい)の果(はて)に

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二(に)、三(さん)日(にち)前(まえ)戦(と)友(も)の敵(てき)弾(だん)に虚(むな)しく
散(ち)りしこの内(うち)海(うみ)は何(い)時(つ)もと
変(かわ)りなく白(しろ)い小(こ)波(なみ)が漂(ただよ)っていた
船(ふね)をはなれたドラム(どらむ)罐(かん)が二(ふた)つ三(みっ)つ
浮(う)いて居(い)る岬(みさき)の緑(みどり)も変(かわ)らず
波(は)止(と)場(ば)の小(こ)船(ぶね)も変(かわ)りなし
されど何(なん)と悲(かな)しき事(こと)ぞ
作(さ)業(ぎょう)の歸(かえ)り道(みち)分(ぶん)隊(たい)勇(ゆう)士(し)に
よろしくと言傳(ごんでん)頼(たの)んで分(わ)かれた
戦(と)友(も)が明(あ)くる朝(あさ)は何(ど)處(こ)へとも
知(し)れず遂(つい)に敵(てっ)機(き)の為(ため)に
うらみを呑(の)んで海(かい)底(てい)に散(ち)る
ああ無(む)念(ねん)なり
されど詮(せん)なし 唯(ただ)安(やす)らかに
眠(ねむ)りて護(ご)国(こく)の神(かみ)となれ
今(いま)は無(な)き戦(と)友(も)の冥(めい)福(ふく)を
祈(いの)りて君(きみ)の墓(ぼ)所(しょ)に立(た)つ

< 89 >
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生(せい)死(し)を共(とも)にと誓(ちか)いたり戦(と)友(も)今(いま)散(ち)りて
とどめなく孤(こ)独(どく)の感(かん)に唯(ただ)一(ひと)人(り)
別(わか)れ志(し)波(は)止(と)場(ば)に来(き)てみれば
土(ど)人(じん)の黒(くろ)い顔(かお)二(ふた)つちょこんと礼(れい)して
微(ほほ)笑(えみ)みぬ
我(われ)は悲(かな)しく戦(と)友(も)の名(な)をぞ心(こころ)に
呼(よ)びたれど返(かえ)す小(こ)波(なみ)その音(おと)に
さようならとも交(かわ)し得(え)ず友(とも)の
面影偲(おもかげしのば)れぬ ああ
南海(なんかい)の果(はて)の海(うみ) ニューギニアの
一(いっ)端(たん)に護(ご)国(こく)の花(はな)と散(ち)り果(は)てぬ
功(いさお)し香(かお)り 永(えい)久(きゅう)に
眠(ねむ)れ東(とう)亜(あ)の守(まもり)神(がみ)

君(きみ)の為(ため)何(なに)が惜(お)しまん若(わか)櫻(ざくら)
散(ち)って果(は)えある生(いの)命(ち)なりせば

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